最近は、公共の交通機関や公共施設にもエレーベーターやエスカレーターが増えていますが、どうも昇りはあっても下りは少ないようです。
実はこの下り階段が、腰痛やヒザの痛みの原因であることがよくあります。
階段を降りる時の衝撃は尻もちと同じ
階段を昇る時の動きは、骨盤の機能を促進させます。ですから、当院でも階段を昇ることは推奨しています。
しかし、階段を降りる行為は、かえって身体を痛めます。
皆さんもお気づきかもしれませんが、階段を降りるときには恐くないですか?特に、急いでいて駆け降りる時には、転んでしまうんじゃないかと思う時があるでしょう。それは、階段を下るときの身体の使い方は歩く行為と逆になるため、制御しにくくなるからです。その結果、降りた時の衝撃を逃がすことが出来ず、直接骨盤でそれを受けてしまうため、尻もちと同じ衝撃が骨盤、特に仙腸関節と言われる所に加わってしまうのです。
衝撃が仙腸関節に加わると・・・
そのような衝撃が仙腸関節に加わると、仙腸関節を痛めるのはもとより、恥骨の動きも異常になります。その結果、一歩歩く度にドスンドスンと歩くようになり、その衝撃を仙腸関節だけでは受けきれずに、股関節や腰、膝で受けることになります。そのようなことが続くと、股関節や腰、膝に疲労が蓄積して、疲労性の痛みが出て来ます。また、骨盤・股関節・膝・足首の連動が崩れるため、これらにさらに負担がかかって障害していきます。
階段を降りる時はゆっくりと
上記のような衝撃を避けるには、まずゆっくりと降りることが大切です。出来る事ならば、身体を左右どちらか斜め45度方向に向けて片足ずつ降りるのがベストです。
膝を直接強打した場合以外の膝の痛みの原因はほとんどがこの衝撃ですので、膝が痛む方は、多少時間がかかっても、このような降り方をお勧めします。ご家庭の階段であれば、四つ這いで昇り降りするのも一つの手でしょう。特に日本の住宅の階段は、身長に比して段差が高い のと人間の身体の成り立ちから、四つ這いはお勧めです。
それでも股関節や腰や膝が痛む方は、ぜひ宮本ケアセンターにご相談ください。