なぜ肩が凝るのか?
肩こりには様々な要因があります。大きく分けると骨格の問題、身体の使い方の問題、最後に内臓の問題があります。
肩こりの要因には骨格の問題と身体の使い方の問題が重なって引き起こすこともあります。
いずれにしても、脳が身体を守るための防御反応でもあります。
1.骨格の問題から肩こりになる場合
肩こりは首・肩周辺の骨格の問題と思われがちです。それは間違いではないのですが、そこだけではなく、骨盤やアゴが関係しています。
人体の骨盤は、建物で例えるなら土台にあたる部分と言われています。骨盤が歪めば、その影響で身体の様々な所が歪みます。
頭は本来、背骨の上に乗っています。この状態では、筋肉は使いません。
骨盤が歪むと、尾てい骨の一番上の仙骨と呼ばれる部分が後ろに押し出されます。仙骨が後ろに押し出されることによって、重心が本来の箇所よりも後ろに行きます。
そのままだと後ろに倒れてしまいますので、後ろに倒れないように背骨をC字形にして頭を背骨よりも前に出します。
この状態は、まるで釣竿の先端にボーリングのボールが付いていて、そのボールが落ちないように支えているのと同じ状態です。
実際、頭は約5~7kgあります。これだけの重さのものを筋肉で支えていれば、筋肉が凝るのは当たり前です。
しかも、頭は司令塔であり、それが落ちてしまえば命とりになります。そのような状態を知らせるためにも、脳が肩こりを感じさせて危険を知らせます。これが肩こりです。
また、アゴは頭だけでなく全身のバランスを取るのにも重要な役目を果たしています。
噛み合わせなどアゴに影響を与える要因によってアゴが歪むと、バランスを取るためにアゴや首、肩を筋肉で固めるとともに、バランスが崩れていることを知らせるために、脳が凝りを感じさせます。
その結果肩こりが起こるのです。
2.身体の使い方から肩こりになる場合
現代人は常に時間に追い立てられています。そのため意識に力が入ってしまい、その結果、全身、特に首や肩に力が入ってしまいます。
つまり、常に肩をすくめている状態です。
人によっては、リラックスしているつもりでも力が抜けずに肩をすくめているかのような方もいます。これは脳の防御反応です。
そして、これによって筋肉が硬くなって肩こりになります。
また、ほとんどの方がアゴを引きすぎる傾向にあります。そして、姿勢を意識し過ぎるあまり、アゴを過剰に引きすぎていることが多くあります。
それはデスクワークの女性に多く見られます。
胸を過剰に大きく張って、アゴを強く引く・・・これによって、胸から肩、首、アゴに力が入ってしまい、凝り固まってしまいます。
このような姿勢は、見方を変えると防御姿勢でもあります。
つまり、その状況に対して、脳が身体を守るためにそのような姿勢をとらせるのです。
肩こりの予防法
肩こりの予防法としては、骨盤や骨格が歪まないようにするのはもちろんですが、それ以上に重要なのは力を抜くこと。
力が入ったままでは、嫌でも筋肉は緊張しますし、その防御反応として骨格も歪みます。
そして力が入っていると自覚した時には、疲れを溜めないように血行を良くすることと、脳に“快”を感じさせる時間を持つことが大切です。
その第一が「ご自身の身体をいたわること」です。
肩の力を抜くこと
肩の力を抜きましょう。具体的に肩を抜くポイントとしては、次のようなことが挙げられます。
- 力を抜こうとしないこと(抜こうとすると、余計力が入ります)
- 擬音擬態語を使う(「ダァ~ラァ~」と言う)
- 力む(一旦力を入れてから抜く。力を入れた時には「ギュ~」、抜いた時には「ダァ~ラァ~」と言う)
- 重さを感じる(物の重さ、自分の腕の重さ)
- さする(「ゆるむように、ゆるむように」と言いながら)。
自分のやりやすいもの一つで結構です。
立ち座りは丁寧に
立つ時座る時には、いちいちひざと胸が付くように股関節を曲げてお辞儀してから、立つ座るを行うと良いでしょう。
これによって、背骨の上に頭が乗るようになります。
そうすることで、筋肉で支えることが少なくなるとともに、力も抜けやすくなります。
また肩周りをよく動かしましょう。
この時、肩だけを動かすような小さい運動だと意識が凝っている箇所に行きますので、腕全体を使うなどの大きな運動をすると良いでしょう。
四つん這いの姿勢をとる
一日数分、四つ這い姿勢になりましょう。
人間も元々は四足動物です。四足動物に肩こりはありません。
それは、四つ這い姿勢が肩甲骨をはがす方向に向かわせるため、凝り固まって癒着していた筋肉がはがれて弛むからです。
しかも、自重により骨盤も矯正されます。この時、出来る限り上を見ると良いでしょう。首や肩が、コリに対して強くなります。
寝るときには布団と身体を密着させる
寝るときには、ご自身の身体に対して「よ~し、よ~し」とムツゴウロウさん風に言いながら布団に入りましょう。
普段の寝方よりも身体が布団に密着します。それによって寝ている姿勢が安定するため、自然に力が抜けます。
枕を高くする必要もなくなります。また、やっていると笑ってしまいますので、寝付きにも良いでしょう。
身体全体をやさしくなでる
身体全体を優しく沢山さすったり、なでたりしましょう。
「肩こりまでは行かないけど気になる」という場合には、その箇所に重点的に行いましょう。これによって筋肉が弛み、血行が回復されます。
この時に、「ゆるむように、ゆるむように」と言いながらやるとより効果的です。
氷まくらをして寝る
氷枕をして寝ると良いでしょう。血行を回復させるだけでなく、首の歪みの矯正効果もあります。
脳を休息させるので疲れも取れます。
「アイ~ン」をする
タレントの志村けんさんの「アイ~ン」をよくやりましょう。
これによって、アゴが前に出され、アゴや首周辺の筋肉がストレッチされて弛みます。
さらに、それをやっている自分を客観的に観ると笑えてくるので、脱力にも繋がります。
肩こりを改善するためにやってはいけないこと
凝っている部分を強く押すこと
肩が凝っているとはいえ、指や道具で筋肉をグリグリやることはやめましょう。筋肉や組織が損傷してしまいます。
その修復過程において筋肉を強くする必要があるため、かえって緊張します。
そして、筋肉や組織が損傷した結果、骨格は余計不安定になって筋肉はさらに緊張します。
首をバキバキ鳴らすこと
首をバキバキ鳴らすことはやめましょう。これによって、関節や椎間板が破壊される応力がかかります。
そのような応力があると身体を守る防御反応のために筋肉がかえって緊張します。ついに関節や椎間板が破壊されると、それだけ骨格が不安定になるため、筋肉がさらに緊張します。
しかも、首の骨には脳に血液を送る動脈が通っています。首をバキバキ鳴らすことで、この血管が切れて死に至るリスクが高まります。
外から熱を加えて身体を温めること
温めるのはNGです。
寒いから温まるとか、リラックスするという目的で入浴したり、服を着て温まるというのは良いのですが、カイロなどを使って外から熱を加えるような形で温めるのは避けた方が良いです。
外から熱を加えると、凝っている筋肉は膨張して血行がさらに悪くなります。
しかも、身体の成分のほとんどは水とタンパク質です。
タンパク質は44℃近傍で固まります。いわば“温泉卵”状態です。
体温が平均36℃前後ですから、少しの熱で固まってしまいます。それが、変形や組織変性につながります。
温めると血行が良くなるように感じるのは、変形や組織変性を防ぐために、緊張している筋肉の中の血行ではなくその周りの筋肉の中の血行が良くなるだけです。
結果、凝っている筋肉は弛みません。
昔ながらの「湯治」は、1~2分湯船に浸かって、それを自然乾燥させて温泉成分を身体になじませる、というのが本来の方法です。
その過程でリラックスされて血行が回復して凝りが解消されるのです。
「ここのお湯はいいから」と言って長く浸かった方が、かえって筋肉を緊張させ、さらに様々な変形や組織変性を引き起こしています。
肩が凝ってしまったら…対処法
肩が凝るとすぐに揉みほぐしたくなります。揉みほぐすことと肩こりを解消することとは次元が違います。
揉みほぐすことで一時的には弛みますが、外からの刺激では脳が安心しないため、防御反応によって凝りが復活してしまいます。
重要なのは、脳を安心させ、脳の神経回路を使って内側から弛めること。それが上記の予防法でもありますが。
ですから、肩こりになった時には予防法を行うと良いでしょう。特に、凝っている所をさすったりなでたりするのは有効です。最低5分は続けて行うと良いでしょう。
宮本ケアセンターには、様々な原因で肩こりになった方、肩こりから様々な症状が出ている方、他では改善しなかった方などがたくさん来院され、改善しています。
施術は、人間の本質に沿って、揺らす・擦る・なでるを基本として、脳に“快”を与えながら骨格の歪みを整えるとともに全身を弛めていきます。
また、立腰体操によって正しい運動で骨格が整うとともに血行を良くしていきます。柏市の整体でこのような施術を行うのは当院だけです。ぜひ一度ご相談ください。